東京タクシーの初乗り運賃について

東京タクシーの初乗り運賃ですが、これはタクシー会社によって多少の違いはあるものの、基本は410円で、距離は1.052kmまでとなっています。かつては東京タクシーの初乗り運賃は2kmまで730円というのが基本でしたが、これを引き下げることで短距離でもあまり割高さを感じることなく利用しやすいように改定がなされました。ちなみに、東京タクシーの初乗り運賃後の加算については、かつては280mごとに90円というのが基本でしたが、改定後は237mごとに80円と、こちらも刻みの幅が若干小さくなっています。

それで、結局東京タクシーを利用するにあたって改定前と改定後を比べてどのようになったのかというと、乗車距離が約2kmまでであれば以前よりも安くなります。一方、6kmを超えると以前よりも高くなるという結果になり、2kmから6kmの範囲ではほぼ変わらないという形になっています。短距離でも気軽に利用しやすくする一方、長距離のお客さんからは若干多く料金を支払ってもらうことで、東京タクシードライバーの待遇改善などに繋げたいという意向があるようです。ただ、初乗り運賃が大きく引き下げられたことで、ワンメーターでの利用が多くなってしまうとドライバーの待遇改善にはつながらないかもしれません。ターミナル駅などで客待ちをしているタクシーの列があるでしょうが、そこで長時間待った挙句にワンメーターのお客さんでは、それが730円であってもドライバーには十分にショックでしょうが、運賃改定によってそれが410円になった場合どうかというのは想像できることです。

一方、この初乗り運賃改定によって、今までであれば運賃の高さからタクシー利用をためらっていたような人もタクシーに乗ってくれるようになれば需要全体の底上げにつながるかもしれません。確かに1km程度の距離であっても、例えば足腰に不安のあるお年寄り、妊婦さん、小さい子供を連れた人など、歩いて行くにはちょっとという人は少なくなく、リーズナブルな運賃であれば積極的にタクシーを利用したいと考える人は多いかもしれず、このような人たちの需要を取り込むことを狙っています。もちろんそうであるからには近距離客だからといって嫌な顔をしたり、ましてや乗車拒否などをするのは論外ということになるでしょう。ちなみに、タクシーを利用する人全体での1回あたりの乗車距離の平均はだいたい5km程度で、運賃にして1800円程度というのが実態となっています。